「マタニティトリートメント(マタニティマッサージ)の資格を取りたいけれど、通信やオンラインで学べる?」
そんなふうに考えているセラピストさんも多いのではないでしょうか。
仕事やサロンを続けながら学びたい方にとって、オンラインで受講できる講座はとても便利です。
一方で、妊婦さんへの施術を学ぶ場合には、オンラインで学べることと、実際に身体に触れて学ぶ必要があることを分けて考えていただきたいと思うのです。
そして、もう一つ大切なのが「資格を取得できるか」だけで講座を選ばないこと。
必要なのは、資格そのものよりも、学んだことを現場で活かせる知識・技術・判断力です。
マタニティマッサージの資格は通信・オンラインで取得できる?
まず知っておきたいのは、「マタニティトリートメント資格」という国家資格があるわけではないということです。
現在、日本ではセラピストになるために国家資格が必要とされているわけではなく、マタニティケアについても、各スクールや団体が独自のカリキュラムを設け、修了証や認定資格などを発行しています。
そのため、「通信で資格を取得できる」「オンラインでマタニティケアを学べる」という講座もあります。
ただし、ここで考えていただきたいのが、「資格を取得できる」=「妊婦さんに安心して施術できる」ではないということです。
資格は、学んだことを形として示す一つの方法です。
けれども、本当に大切なのは、
・どんな講師から何を学んだのか
・どこまで理解できているのか
・実際の妊婦さんに対応できるのか
・状態に合わせて施術を判断・調整できるのか
という「中身」です。
実際、当スクールには「他のスクールで資格を取ったけれど、短期間での座学と実技練習のみだった。現場で妊婦さんに施術する自信がない。」というセラピストさんが何人も受講されました。
オンライン・通信で学べること
オンラインで学べることは、たくさんあります。
知識を体系的に学ぶうえでは、時間や場所に左右されないオンライン学習は大きなメリットがあります。
例えば、
・妊娠中の身体の変化
・妊娠・出産に関する基礎知識
・解剖生理学
・ホルモンや自律神経
・妊娠中に起こりやすい不調
・施術時の注意点や禁忌
・セラピストとしてのリスク管理
などです。
こうした知識を体系的に学んでおくことは、妊婦さんへの施術を考えるうえで非常に重要です。
では、オンラインだけで十分?
ここは、何をしたいのかによって変わります。
例えば、「現在の施術はリフレクソロジーで、妊娠中のお客様にも足への施術を提供したい」ということであれば、妊婦さんへのリフレクソロジーに必要な知識と技術を専門的に学べる講座もご用意しています。
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一方で、人の身体に触れることすべてをオンラインで完結できるとは考えていません。
・実際の妊婦さんに触れ、表情や呼吸、身体の緊張、言葉にならない反応を感じ取る。
・妊婦さんご自身から施術の感想をその場で伺う。
・経験豊富な助産師から、教科書だけでは分からない妊産婦ケアの現場を聞く。
・助産院という実際の現場に身を置き、そこで交わされる会話や空気を感じる。
そうした経験から得られるものも、マタニティケアを学ぶうえで大切な学びだと私たちは考えています。
だからこそ当協会では、「オンラインで学べるもの」と「実際に人と向き合って学ぶもの」を分けています。
「妊婦さんにフルボディのトリートメントをしたい」
「側臥位などで身体全体を施術したい」
という場合は、オンラインだけで学ぶことには限界があります。
実際に人の身体に触れ、
・どのような姿勢で施術するのか
・どの程度の圧が適切なのか
・身体の状態によってどう手技を変えるのか
・妊婦さんがどのように感じるのか
・セラピスト自身が無理なく施術できるのか
などを確認する必要があるからです。
マタニティケアで必要なのは「技術」だけではありません
妊婦さんへの施術では、決められた手技をそのまま行えばよいわけではありません。
同じ妊娠週数でも、体調や生活背景、既往歴、お腹の大きさなども一人ひとり異なります。
症状やお話しから、「もしかして?」というアセスメントも重要になります。
だからこそ、
「今日はこの施術内容で大丈夫か?」
「圧や施術時間を変えたほうがよいか?」
「医療機関への相談をすすめたほうがよい状態ではないか?」
などを考える力が必要になります。
つまり、技術+知識+判断力
この3つが揃ってこそ、現場で使えるマタニティケアになります。
当協会が大切にしているのも、単に「妊婦さんへの手技を覚えること」ではありません。
妊婦さんの状態を理解し、その時々に応じて施術や対応を考えられることを重視しています。
講座を選ぶときに確認したい5つのポイント
これからマタニティケアを学ぶのであれば、「資格が取れるか」だけではなく、次の点を確認してみてください。
①何を学べる資格なのか
現場で実際に活用していけるのか?
「資格」という名称だけで判断せず、カリキュラムを確認しましょう。
② 妊婦さんの身体について十分に学べるか
妊娠中の身体の変化だけでなく、解剖生理、ホルモン、自律神経、妊娠中に起こりやすい症状などを学べるかも重要です。
③ 施術の可否や圧や速さの加減を判断する力を学べるか
「この手技を行う」という技術だけでなく、「この方には、どのように行うのか」を考えられるカリキュラムかどうかを確認しましょう。
④ 実際に身体に触れて練習できるか
フルボディのマタニティトリートメントを学ぶのであれば、実技練習は特に重要です。
妊婦さんへの実技練習や、実際の現場に近い環境で学べる機会があるかも確認しておきたいポイントです。
⑤ 医療との連携やリスク管理について学べるか
医療機関に連携すべき状態や、セラピストの役割の範囲を理解することも、安全な施術には欠かせません。
当協会では「オンライン」と「対面」を使い分けています
当協会でも、すべてを対面でなければ学べないとは考えていません。
座学など、オンラインで学ぶことに適している内容はオンライン受講も可能です。
一方、妊婦さんへのフルボディトリートメントを学ぶ「マタニティケア講座」では、実技を対面で行っています。
さらに、
・大規模病院・クリニック・助産院・島でのお産など、さまざまな現場を経験してきた助産師による講義
・産婦人科で妊産婦への栄養指導を行ってきた管理栄養士による講義
・そして助産院での実習
こうした学びを通して、教科書だけでは分からない「実際の妊産婦ケア」を知る機会を設けています。
これは、単に資格を取得するためではなく、卒業後に妊婦さんを目の前にしたとき、自分で考えて対応できるようになるためです。
施術技術だけでなく、妊娠中の身体の変化、注意すべき症状、リスク管理、施術の組み立て方などを総合的に学びます。
資格を「取ること」から「使えること」へ
マタニティトリートメントの資格を取得すること自体が意味のないことだとは、私は考えていません。
学んだことを形として残すことには意味があります。
ただし、その資格を持っているだけでは、妊婦さんから信頼されるセラピストにはなれません。
大切なのは、何を学び、何ができるようになったのか。
そして、目の前の妊婦さんの状態を見て、安全に施術を組み立てられるのか、ということです。
これからマタニティケアを学ぶ方には、ぜひ「資格が取れるか」だけではなく、
「その学びを、卒業後の現場で本当に使えるのか?」
という視点で講座を選んでいただきたいと思います。
実は私自身、セラピストを志した当初に、子育てをしながら学べるスクールを探していました。
産後にメニエール病を発症し、リフレクソロジーを受けたことがきっかけで、「自分も学びたい」と思ったものの、幼い子ども2人を抱えて長期間通学することは現実的にはほぼ不可能でした。
そこで見つけたのが「通信+2日間のスクーリング」という講座。
「これなら卒乳後になんとかできる」と、母に子どもたちを預かってもらう相談までしていました。
その後、夫がイギリス赴任となり、現地でベビーシッターを利用しながら学ぶ機会に恵まれました。
だから私は、「学びたい気持ちはある。でも時間や家庭の事情で、スクールで学ぶことは難しい」という方の気持ちがよく分かります。
オンラインで学べる環境をつくることには、大きな意味があると思っています。
それでも、妊婦さんの身体に触れる施術と体験だけは、オンラインのみで完結させてはいけない。
実際の妊婦さんの身体に触れ、反応を感じ、妊婦さんの声を聞きながら学ぶ。
そこは、私自身がセラピストを育成する立場になった今も、譲れない部分です。
妊婦さんに安心して施術を受けていただき、セラピスト自身も自信を持って長く活動していく。
そのための学びとして、ぜひご自身の今後の活動に合う講座をじっくりと探してみてください。



















