セラピストさんから、『マタニティマッサージって何か特別な手技がありますか?』というご質問をいただくことがあります。
妊婦さんへのトリートメントは、側臥位が基本。
妊娠中は腹臥位(うつ伏せ)にはなれませんから。
うつ伏せになれるという妊婦さんがいらしたり、
妊婦さんもうつ伏せになれるという特別製のベッドなどもありますが、
私は基本的には推奨しません。
この側臥位でのオイルトリートメントに慣れることから始まります。
ところが、手技によってはセラピストさんの姿勢に無理があったり、身体に負担がかかってしまうものがあります。
オイルトリートメントの基本となるエフルラージュが、セラピストにとっては最もつらい体勢の一つです。
スクールの授業では、妊婦さんには心地よく、そしてセラピストさんには体に負担のない手技をいかに増やすか、をお教えしています。
受けた感じは同じでも、施術する側の負担は全く違う手技もあるのです。
セラピストは身体が資本ですから、長く働いていくための手技を身に付けなければなりません。
かつ、妊婦さんには喜んでいただけるもの。
さらにはそれが妊娠中のマイナートラブルに対応できる手技であれば、言うことはありませんね。
妊婦さん特有の手技といえば、もうひとつ。
そう、赤ちゃんのいる腹部への施術です。
これは普段皆さんがされる施術に比べれば、とても簡単なものです。
お腹には赤ちゃんがいるわけですから、押したりもんだりはご法度。
手技としてはオイル塗布をするくらいのイメージです。
側臥位での下半身は、少々向きが異なるくらいですので、それほど大きくは変わらないと思ってもよいでしょう。
最初は戸惑うかもしれませんが、すぐにこれまでの手技から応用できます。
仰臥位(仰向け)での施術は、こちらも妊娠していない方とほぼ同様ですね。
妊婦さんへの手技は、いかに安全に配慮し、かつマイナートラブルに対応できるかがポイントとなります。
すでに他のスクールで学ばれたという生徒さんからは、こんなご感想をいただきます。
・これまでは側臥位でのエフルラージュしか学べず、なでるだけで不安だった
・肩こり、腰痛をこんな風にほぐせるとは考えたこともない手技だった
・腹臥位での下肢、デコルテ、仰臥位での下肢への技術をこんなに教えてもらえて、
妊娠中以外の方への施術のスキルアップにつながった
側臥位での施術は、肩周りの手技が多くてやりやすいとはまってしまうセラピストさんがいらしたり、
腹臥位(うつ伏せ)のできないお客様に対応できるようになったと喜ばれたり、
実は意外に応用範囲が広いのです。
スクールでは妊婦さんへの手技をメインにお教えしていましたが、最近はデコルテや下肢などへの施術も教えてもらいたいという要望が増え、技術に関しては腹臥位での背中以外をその方のレベルに応じてお教えしています。
妊娠時特有の手技だけでなく、生徒さんの技術が全体的に上がれば妊婦さんもうれしいはず。
プロフェッショナルマタニティケアセラピストとして、常に向上していきましょう。