当スクールではカリキュラム内に助産院での実習を取り入れております。
実習先は横浜市南区のみやした助産院。
宮下美代子院長をはじめ、他の助産師の皆様、受付スタッフの皆様には、当スクールの実習セラピストの受け入れにあたり格別のご配慮をいただき、心より感謝申し上げます。
妊婦さんやお腹の赤ちゃんの命を預かる医療現場。
そんな場で妊産婦さんのケアをさせていただけることは、実習生のセラピストにとって何よりの経験となり今後セラピスト活動を行っていく上での自信につながっています。
当協会およびスクール代表の私 安藤は、二人の子供の妊娠・出産にあたり3軒の産婦人科でお世話になりました。
それは残念ながら決して良い体験でも心に残る幸せな時間でもありませんでした。
けれど、実家の母も大きな産婦人科で私を出産していたこともあり、赤ちゃんは産婦人科で産むことに何の疑問も感じなかったのです。
妊娠出産育児の体験からセラピストを志し、イギリスで代替療法を学んで帰国した後、こちらのみやした助産院でセラピストとして働かせていただくことになりました。
そこで、カルチャーショックと言ってもよいほどの衝撃を受けたことは生涯忘れられません。
・なぜ妊婦さんたちがスタスタ普通に歩いているの?
・出産直後のママがどうしてこんなにすぐに元気に動けるの?
・会陰切開は当たり前じゃなかったの?
・なぜ2泊3日で退院できるほどに身体が回復できる?
・ほぼ和食なのはなぜ?
・病院と同じように『赤ちゃんを産む場所』なのに、なぜこんなに雰囲気が違うの?
病院と助産院の違い。
健やかに妊娠期を過ごし、出産、育児を行えるように患者さんたちに寄り添う。
医療従事者である助産師さんたちの細やかな診察と行き届いた指導、温かい触れ合いに、セラピストとして目指すところに通じるものがあることに気付きました。
私から言葉で伝えるだけでなく、『助産院の空気と助産師さんたちや患者さんとのやり取りに接することでしかわからないもの』を、生徒さんたちに体感してもらうことにこそ意味があるのです。
助産院での実習は、医療現場でマタニティトリートメントを行う体験というだけではありません。
簡単に言葉にはできない『妊産婦ケアを志すセラピストさんにとっての一生の宝』となります。
実習を行ったセラピストの心の奥深くに残り、お客様と接する際の言葉や態度、手技に宿り続けてくれるものと信じています。
そしてまた、命を預かる医療現場に私たちセラピストを快く受け入れてくださる宮下院長先生が私たちセラピストに何を望まれるのか、私たちがセラピストとしてできることは何なのか、そんなことも生徒の皆さんと一緒に真摯に考えていきたいと思っています。
【みやした助産院】
所在地:横浜市南区三春台126 (最寄り駅:京急線黄金町駅)
【宮下院長ご略歴】
1990年 みやした助産院開業(出張の母乳育児支援中心)
2002年 ふれあい横浜ホスピタル病院内に母乳外来および分娩の委託業務開始
2003年 横浜市南区平楽に有床助産所 開設
2010年 日本助産評価機構第一号認定
2006年 第34回医療功労賞・都道府県表彰 受賞
2006年 横浜市長賞・母子保健奨励賞 受賞
2011年 神奈川県看護賞 受賞
2012年 日本助産師会 会長表彰
2017年 第69回「保健文化賞」を受賞
*「保健文化賞」は、「開業助産師として、長年にわたり医療施設及び保育士、産前産後ヘルパー等の多職種と連携し、授乳期の母親が安心して子育てが出来る環境を整え、母乳育児支援、産後うつ、虐待防止対策等に貢献している。また、母乳育児支援業務等の講演を行うなど、助産師の教育活動にも尽力している。」という業績が認められて受賞されたそうです。(みやした助産院HPより)
受賞者は厚生労働大臣から表彰状が贈られ、皇居に参内して天皇皇后両陛下の拝謁を賜るというたいへん栄誉ある賞です。
ご受賞は宮下院長のこれまでの並々ならぬご尽力とご功績が認められたものと存じます。
助産院でお仕事をさせていただく際にも、明け方まで分娩の場におられた院長先生が、ほんのわずかな仮眠の後に通常の診察に向かわれる姿を何度も拝見しました。
末筆ながら、ご受賞を心よりお祝い申し上げます。